top of page

野菜こぼれ話~畑のあれこれ~第一回「オクラ」


今回から、数回にかけて野菜の雑学やこぼれ話をご紹介することになりました。

お付き合いのほど、よろしくお願いします。

さて、今回取り上げるのは、日本では主に実を茹でて食べる「オクラ」。

もともと「ねばねば」な食材が少なくない日本の食文化において、オクラももっぱら「ねばねば」の食材として、日々食べられているような気がする。

そんなオクラも、実は生まれ故郷(原産地)は遠くアフリカの西部。

アフリカ生まれのせいか日本の寒さには弱く、日本の虫にも弱い。

ちなみに日本で食べられている野菜の多くはルーツを海外に持ち、現在日本で流通している150種ほどの野菜のうち、90%以上が海外原産だといわれている。

野菜は世界中を伝わる過程で、品種改良を施されていることも多い。

中にはイチゴのように、交配を繰り返しながら地球を一周しそうな勢いで日本まで伝わってきた野菜や果物もある。

同じ野菜が世界中で食べられている反面、同じ野菜でも場所が違えば食べ方も大きく異なることがある。

オクラの場合だと、インドやネパールなどの一部の国では葉も食用にされている。

そして世界にはさらに変わった利用法もあるようで、なんでもオクラの種を乾燥させて焙煎すると、コーヒー豆の代わりになるらしい。

オクラのコーヒー。 ただネバネバの野菜として普段オクラと接している私たちにとって、いささか想像に難い。

実際に飲んだ人の感想によると、「味は確かにコーヒーの味だったが、香りはサヤエンドウに似ていた」とのこと。

オクラのコーヒーはサヤエンドウの風味………。

ますます謎が深まってしまった。 (続く)

【参考文献】

森昭彦『身近な野菜の奇妙な話』(SBクリエイティブ、2018)

稲垣栄洋『明日ともだちに話したくなる野菜の話』(総合法令出版、2018)

「オクラの豆から作られた謎の指宿名産「おくらコーヒー」を飲んでみた」

最新記事
アーカイブ
bottom of page